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インタビュー 任天堂今西紘史・ハドソン中本伸一・スクウェア坂口博信 | '94年6月10日号・後編







■日本の社長'94


任天堂株式会社 広報担当部長 今西紘史



プライス競争よりもクオリティー競争へ

世の中では不況と言われていますが、テレビゲームというメディアが衰退しているわけではないのです。去年12月のスーパーファミコン用ソフトの製造本数は800万本という数にのぼっていますしね。ただ、いまのゲーム業界というひとつのマスのなかには、たくさんのソフトメーカーがありまして、競合しあっている状況ですよね。そういう状況のなかでユーザーは、ますます選択肢が広がっている。とうぜん、クオリティーの高いソフトが売れていくわけです。

昨今では低価格がトレンディーという風潮がありますが、これは何か間違った流れではないか? 本来はクオリティーと価格の、つまりはユーザーが10000円という価格に見合っているかどうか、で買う買わないを判断するわけですからね。ファミコンが発売されてから今年で11年目になりますが、いまの話を含め、いろいろなことを我が社では実証してきたと思います。最近の例では『FFVI』が10000円を超えたのに、ディスカウント店では売れに売れて、100億近いお金が2日ほどで動きました。これは映画などのエンターテイメントと比べて、まったく遜色のない数字だと思います。

もちろん、将来的にもゲームは伸びていくでしょうね。ゲームに変わるインタラクティブなエンターテイメントはまだ見出されていないですから。いま家電メーカーさんが続々と業界に参入しているのも、それだけ魅力のある分野ということでしょう。ただ、ゲームというのはたんにCPUの容量や数だけで決まることではないですよね。たとえばスーパーファミコンでもFXチップを積めば、ポリゴン処理は問題なくできる。こういった機能アップも大切ですが、むしろ問題なのはクリエーターの開発環境を整えること。そしてサードパーティーにより大きい舞台で活躍していただくよう努力することではないかと思います。


株式会社ハドソン 常務取締役 中本伸一



ハドソンは次世代機でバクチを打ちますよ!

ゲーム機というのは、けっきょくどこにコストをかけるか、の問題なんですね。たとえばファミコンなんかは、ほとんどコンピューターとしてはいちばん下の下、最低なコンピューターなんですけど、画像の部分に関してはパソコン以上のものがあったんです、当時は。だからここまでゲーム機として普及したんです。

ソニーのプレイステーションであれば、演算能力に優れていますね。3次元を如何に表現するかという部分に相当力を入れています。3DOの場合ですと、特徴がないといえば特徴がないですが、それなりにパソコン的です。サターンもどちらかというと、スプライトとポリゴンをうまく融合したような形の特徴がありますね。

私どもが知ってる限りで言いますと、FXというのは、計算にまったくお金をかけていない。かわりに、表示系にすごくパワーが感じられます。FXの場合ですと、内部に処理系というか、データを処理する部分を持っているんです。画像、映像のソースは内部に持たないというのが、FXの最初からのコンセプトです。~

最近の『FFVI』なんかを見ると、本当にポリゴンの世の中ってくるのかなあと疑問なんですよ。すごく描き込んである絵画のようなグラフィック、こういう世界もいいですよね。ゲームというのは嗜好品、人の好みだなっていうのがよくわかりました。ですから私は、ゲームマシンも、ポリゴンだけじゃないという考え方になっていくんじゃないかなあと思います。

FXっていうのは、さっきもお話したように画像、映像のソースを内部に持たないことが特徴ですから、ソフト屋さんが手を抜くとまったくダサいゲームができてしまうという可能性はありますね。だいたいどれだけのソフトハウスが次世代機と呼ばれるハードでバクチを打つでしょうか。でもハドソンはやりますよ。少なくともハドソンは、参入したハードに対してはバクチを打っていきます。


株式会社スクウェア 代表取締役副社長 坂口博信



次世代機は現在研究中です

ゲーム業界でスクウェアの名前は完全に定着したと言われることもありますが、じつはあまり意識したことはないんです。実際、ユーザーも、スクウェアのゲームだから買うというのではないですね。タイトルごとに、これはどのぐらいおもしろいんだろうということをきっちり把握して買ってくれたり買ってくれなかったりします。
そういう意味では、おもしろいものを出し続けなければ、ゲームメーカーのスクウェアとして将来やっていけなくなってしまうでしょうね。これはスクウェアだけではなく、ゲーム業界全般でも言えることだと思っています。

スクウェアのゲームでは、『FF』シリーズが柱となっているという見方も当然あると思いますが、『ロマンシング サ・ガ』や『聖剣伝説』、現在開発中の『ライブ・ア・ライブ』などもあるわけです。これらいろいろな新しいものを出すことのできる開発環境を作っていますし、新しいものが生まれてゆく会社であるべきですよね。シリーズものだけに頼るのではなしに。スクウェアのゲームジャンルはRPGが多いのですが、『FFIV』では実験的にシミュレーション戦闘を入れてみたり、『ライブ・ア・ライブ』ではユーザーが自分で冒険する世界を選べたりと、いろいろな遊び方ができるようにしています。大まかなストーリーのなかで、プレーヤーが成長するという意味ではRPGなんでしょうけど、スクウェアとしては、いままでの "ロールプレイングゲーム" の定義に縛られたくはない。そういう意味ではゲームジャンル自体が、いままでよりももっともっと曖昧になっていく時期にきているのかもしれませんね。

次世代ゲームマシンに関しては、スクウェアでは現在のところ研究中というところなんです。具体的な動きはまだまだ先になりそうですね。実際、ハードのスペックだけを見ると、どれもこれも似ているなという印象を受けるんです。できることが似てますよね。ポリゴンで3次元の動きができるというのが大前提になっていて、従来のスプライト機能も強化されている。そして、CD-ROMであるということですね。
現時点ではまだコスト的な問題もあるでしょうけど、立ち上げ時にはその時点でできるベストのものをそれぞれ出してくるでしょうから、実際に注目すべきものではありますね。でも、それらのハードでゲームを出すことになっても、開発の基本的な部分は変わらないでしょうね。ポリゴンなどの技術的なノウハウについては別として、けっきょく開発側がやるべきことはいままでとほとんど同じです。

CD-ROMは、要は大容量のメディアですよね。それを実際にどう使うかが問題だと思います。具体的なレベルで、作品によって使い方が変わるべきでしょう。演出やグラフィックなど、使い方は作品の内容に沿ったものにするのが当然ですから。その使い方が良ければ成功するわけですよ。だから一概に、CD-ROMになると結果はこうなるんだっていうのが見えてしまうのはつまらないですよね。作り手側としては、次世代機やCD-ROMに限らず、これからメディアが変わってゆくなかで、いろいろなアイディアを出し続ないといけないんじゃないでしょうか。そういう意味で、スクウェアは現在、新しいモノをじっくりと研究しているんです。その点ではぜひ今後のスクウェアに期待していただきたいですね。


株式会社チュンソフト 代表取締役 中村光一

ハードではなくソフトが重要


株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント 取締役 高橋裕二

リアルタイムと3Dの時代になる


株式会社エニックス 代表取締役社長 福嶋康博

『DQ』シリーズはハードを選んで出す


株式会社アトラス 代表取締役社長 原野直也

業界は資本力の戦いになった


株式会社タイトー 取締役 CP本部長 松高誠三

おもしろくないのは意味がない


NECホームエレクトロニクス株式会社 取締役支配人 中野誠二

ソフト力には自信がある


3DOジャパン株式会社 代表取締役 小玉章文

3DOの特徴は映像の質の高さ


株式会社 セガ・エンタープライゼス 取締役本部長 重田守

セガサターンは多くの可能性を秘めたマシン
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水野店長『ドラクエ』リメイクにもの申す | '94年6月10日号・前編







■エクスプレス


縦型にビックリ これが "FX" だ!!

PCエンジンDuoがさらにお安く 新型機 "Duo-RX" 29800円で登場

セガサターンとスーパー32Xのソフトだ!




■ソフトウェアインプレッション


ドラゴンクエストI・II

これからのゲームに何を求めることができるのか 『ドラクエI・II』について知りたいいくつかのこと

じつは本当のことを言ってしまえば『ドラクエI・II』に関してはほとんどここで述べておきたいことはないのだ。オリジナル版が発売された当時にすでに言いたいことは言ってしまったし、それに細部では少々手直しが入ったとはいっても、基本的には同じストーリーの同じ話であるから、新作の新しい操作感についていくら述べたとしても、それはスーパーファミコンとオリジナル・ファミコンの違いをうんぬんするだけに留まってしまうからなのだ。
しかし、あえてこのソフトウェアインプレッションの貴重な1ページを割いてこうして書いているのにはわけがある。
それは、今回スーパーファミコン版の『ドラクエI・II』をプレーして感じた、リメイク版を作る意義っていったい何なんだろうってことだ。メーカー側からすれば、かつての『ドラクエI』『II』を遊んだことのない人にスーパーファミコンというすばらしい環境でもう一度あの名作の感動を味わってほしい、ってのがいちばんの理由なのだろう。それはそれで十分に理解できるものだ。しかしよく考えてみると、なぜファミコン版じゃダメなわけ? みんなファミコン版で遊んでリッパに熱中してきたわけじゃない。パッケージだけ変えてもう一度発売しなおせばいいじゃん、とか思ってしまうのも、うなずけるひとつの人情というものではないだろうか。そのあたりが私には不思議でならなかった。そしてあれやこれや考えてみた結果、やっぱりエンターテイメントというものは技術に寄りかかる部分がとても大きいからなんだろうなあってところに行き着いた。
例をあげて言えば、たとえば去年大ヒットを記録した『ジュラシック・パーク』のおもしろさは、いまのCGテクニックがなかったら絶対に実現しえなかったものだろうし、いまはなき大映が製作した『ガメラ』や松竹の『大巨獣ガッパ』の映像に失笑してしまうのは、当時の稚拙な技術が、現実にセンス・オブ・ワンダーを感じさせる表現として、どうにも堪えられないからなんだろうね。だから、新しいテクノロジーがエンターテイメントを引っ張っていくというのは、これは大いにありうることなのだ(もっとも私はある種のノスタルジーとして、これらの旧怪獣映画が大好きではありますけど)。
だからして、CGをばんばん使ったカッコいい『ガメラ』や『ガッパ』のリメイクは十分に考えられるわけだし、『ジュラシック・パーク』だって、ある意味では20年後30年後に陳腐な恐竜映画に成り下がってしまう可能性もないわけではないのだ。
しかしである、ここにココロザシとか物の見方みたいなものが加わってくると話が変わってくる。つまりこれはどういうことかというと、小津安二郎の『東京物語』をリメイクしようと考える者がいないように、またリメイクする必要が「歴然と」ないように、『東京物語』はそれだけで完成された作品になってしまっている。つまり世の中には、作り直しの必要がない、作り直すことを拒否できる作品があるということなのだ。
『ドラクエI』『II』のリメイク版が現実として登場してしまった現在、この論をそのまま当てはめて、安直に『ドラクエI』『II』が取るに足らない作品であると言ってしまうつもりは毛頭ない。でも、これらのゲームがエポックをメイキング(つまり日本のゲームシーンにロールプレイング・ブームを巻き起こし、それを定着させた)という意味以上に、『ドラクエ』シリーズがリメイクしえない作品としてほしかったという気持ちが私には相当ある。
確かに、ゲームにそこまでのことを望む必要はないんじゃない? とおっしゃる人もいるだろう。しかし、そこまでゲームというものを貶めて考える権利だって、われわれにはないはずなのだ。
近年『いただきストリート2』に見るように、コンピューター・ゲームを知悉した人間だけが作れる傑作をまたもや、ものしてしまった堀井雄二は、だれがなんといおうと天才である。私はこれからも堀井雄二の追っかけを続けるであろうし、彼の発言に注意を払い続けるに決まっているのだ。しかし、あえて言わせてもらうなら、テクノロジーに流されない何か、堀井雄二がいま何を思い、どう生きていこうとしているのか、私はそれこそが知りたいと思っている。彼のゲームに対する理解も情熱もいやというほどわかっているのだし。
(水野震治)


[※あの『もう一度逢いたい』の水野店長が、古ゲーリメイクに対して、遠くハワイから異を唱えている、ということで、当時印象的だった記事。今読んでみると、何を言ってんだろうこの人は、と感じてしまうけど。
創刊当時の名物編集者たちの多くは、この頃にはだいぶ影の薄い存在となっていた]





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ぽっぷるメイル


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