92年1月24日号・後編/各ゲーム雑誌編集部に失礼な質問電話をかけてみる





[※前回の記事の続きです]


■究極のアクションゲームを考える

アクションゲームこそゲームの基本……

好き・嫌い いろんな意見

ここにアクションゲームに対するさまざまな意見を集めた。全ての意見は都内某カメラ店のゲームソフト売り場にて取材したもの。

好き
・展開に変化があるところかなあ。面ごとにガラッと変わっているアクションゲームが好きなんですよ。/スネークマン(サラリーマン)
・超人的なところがいいよね。身長の何倍もジャンプしちゃったりしてさ。夢があるよね。/山本順(陸上部)
・やっぱ、はでな動きでしょ。メガドラでプリンスのでてるやつなんて最高だよね。/谷森真一(歯科医)
・殴りゲーがいいよね。逮捕されることもないし。/弱い人(編集バイト)

嫌い
・死んだら同じ面を最初からやらなきゃなんないでしょ。ああいったタイプのやつは論外だね。/杉本卓也(セールスマン)
・マイキャラがヘボいときがあるでしょ。ダセー服着たやつとか。きっと開発の人間もダセー服しか持ってないんだよ。/三宅文男(清掃夫)
・うるさいなあ。ゲームなんて嫌いなんだ。くたばりやがれ!/パーフリスト(高校生)
・処理が遅くなることがあるよね。ぼくにはゲームで遊ぶ時間があんまりないからああいうのは困りますね。/代々木慕情(予備校生)
・ちょっとした段差とか、小さな落とし穴で簡単に死ぬのにはまいるな。なんか、自分も簡単に死んじゃうような気がして、あまり外出もしなくなった。/スペランカー(大学生)

思い浮かぶまま感じるままに いろんなアイデアを出してみよう
前頁に紹介した人々の声を参考にしながら、究極のアクションゲームに取り入れたい画期的なアイデアが星の数ほど生み出された。
・嫌なヤツの顔を取り込みで入れられる
・正体不明のマイキャラ
・ハリネズミとジャンプ兄弟の格闘もの
・体毛がリアルに描き込んである/ファミ通の企画記事と切っても切り放せない関係にあるのが毛である。
・ロムがくさい汗をかく
・人気ゲームとセット販売
・ステロイドが付属
・イヤな効果音

これが究極のアクションゲームだ!
スーパーヘッジホッグ・ザ・ロードファイターⅢ ~ヒゲの伝説~
こいつはいままでにないほど、すべてがすごい格闘アクションゲームだ。主人公はハリネズミのマスクで正体を隠したヒゲおやじ。名前やストーリーはとくにないので気楽にプレーできるぞ。



キャラは究極コントローラーを見につけたプレーヤーと、まったく同じ行動をとる。したがって人間の行う行為ならどんな淫らなことでもできてしまうのだ。





■メイキング

人を楽しませるために、ゲームデザイナーやゲームメーカー、編集者は何をやっているのか?

質問電話大作戦

実験1 メーカーに失礼な質問をするのだ!

アイレム
女性 アイレムです。
――あの、すいません。ちょっと聞きたいんですけど、12月20日に『パーマンPART2 秘密結社マドー団を倒せ!』っていうソフトを出してますよね?
女性 えーっと(考えてる)、そうですね(自信なさそうに)。
――(唐突に)あれって、おもしろいんですかね?
女性 えっ(一瞬沈黙)?もちろん、おもしろいですよ(笑)。
――どういうところがおもしろいんですか?
女性 えーっと、こんどはパーマンが飛べるんですよ。前は飛べなかったんですけどね。
――(残念そうに)違いは、その点だけなんですか?
女性 そうですね、あとは……。ちょっと待ってくださいね(相談しているのが聞こえる、約1分後)こんどはメインキャラを4人のなかから選ぶこともできるんです。
――ああ、なるほど、なるほど(さも感心したように)。
女性 で、全部で6ステージあって、まあ、内容もレベルアップしているようなんですが……。
――そうなんですか、どうもありがとうございます。

BPS
女性 はい、BPSです。
――こんど出る『テトリス2』っておもしろいんですかね?
女性 (5秒沈黙)はあ、あれはですね、操作性は以前よりもよくなってますしね。
――前のは、よくなかったですもんねえ……。
女性 (むっとして)まあ、そうですね。
――それじゃ、操作性がよくなっただけなんですか?
女性 あと、対戦プレーができるようになったんですよ。
――それなら、任天堂の『テトリス』と変わりませんね?
女性 (また沈黙)ゲームボーイ版と変わらないということですか?
――(えらそうに)ゲームボーイ版は操作性がよくなって、対戦プレーもできますからね。
女性 (うんざりして)あと『テトリス』とはちょっとちがった『Bombliss』というゲームも加わったんです。それから、25ライン消してもゲームを続けられるし……。
――じゃあ、前の『テトリス』よりまったくいいんですか?
女性 ええ、まったく、そのとおりです(なげやり)。

メサイヤ
――(あぶない感じで)あああ、あの、ちょ、ちょっとお聞きしたいんですけど、ゲームボーイの『ジャンケンマン』って、おも、おもしろいんですか?
女性 (間髪入れず)ええ、おもしろいです。
――どういったところがですか?
女性 難易度がそんなに高くないので、小さいお子様からおとなの方まで遊んでいただけますし。主人公がいまアニメで放送中で、そういう点でもお楽しみいただけると思います(スラスラとしゃべる)。
――ファミコン通信のクロスレビューで、評価があんまり高くなかったですよね?
女性 (まったく気にしたようすなく)はあ、好みとかもありますので、そういった点で低い評価になったんじゃないでしょうか?(急に)あの、もし、よろしかったらカタログをお送りしますが……。
――(思わぬ逆襲)えっ、いや、あの、カタログはいいですよ。
女性 住所をお教えいただけたらすぐにお送りしますよ。
――いや、ほんとにいいんですよ。
女性 (残念そうに)そうですか。
――ええ、いいんですよ、ほんと。

実験2 ゲーム雑誌編集部に失礼な電話だ!

ファミリーコンピュータマガジン
TRRRRRRRRRRR……。ダイヤル6回。
男性 ファミマガ編集部です。
――もしもし。
男性 はい。
――ちょっと聞きたいんですけど、メサイヤの『ジャンケンマン』っていうゲームが、ゲームボーイで出てますよね。それがおもしろいかどうか聞きたいんですけど。
男性 うーん、それはちょっとむずかしい(口ごもる)質問になってしまうんですが……。
――あ、そうなんですか?
男性 はい。
――全然、答えられない?
男性 ええ、とりあえずそういった評価はですね、本誌で徐々に紹介していく情報をもとに読者のみなさんにして欲しいんですが……。
――はあ。
男性 あの、ウチのほうとしてはあくまで情報の提供であって、点数をつけるっていうのはいっさい行ってないんで、情報を正確にお伝えしていきますんで、読者の方に判断していただくと……。
――じゃあ、記事を出して、それまでというか。言い方が悪いですけどね、そういうカンジ?
男性 情報誌で中立の立場をとってまして、そういった得点づけはしておりませんので、発売前のゲームには余計な先入観というものを持たさない、持たないという方針をとっておりまして、その質問にはちょっとお答えできませんね。
――はあ、そうですか。何十回聞いてもダメですね?
男性 はい(あきれている)。
――わかりました。

ザ・スーパーファミコン
TRRRRRRR……。ダイヤル4回。
男性 ソフトバンクです。
――もしもし、あのー、ちょっとおうかがいしたいんですけど、スーパーファミコンの、東映動画から出る、『雷電伝説』ありますよね、あれ、おもしろいですか?
(12秒間沈黙)
男性 (冷静に)それは人によると思います、まあ、記事や紹介を読んでもらったら、だいたいわかると思います。
――そういうので判断するしかないんですか?
男性 ええ、そういうので判断していただくしかないですね(やはり冷静)。
――実際、どうですかね?教えてくださいよ。
男性 ですから(ちょっとムッとしている様子)、それは記事で判断して……(あくまで、冷静沈着)。
――(ちょっとビビる)あ、そうですか。実際に、あなたの口から教えてもらうことはできないんですね(ビビっていながらもけっこうしつこい)。
男性 ええ、そうですね(きっぱり)。
――どうも、すいません。
男性 いいえ、どうも(ちょっと怒り気味)
――あの、どうしてもダメですか。
男性 はい、どうしても、です。

HIPPON SUPER!
TRRRRRRR……。ダイヤル4回。
男性 ヒッポンスーパーです。
――もしもし、ちょっとおうかがいしたいんですけど、メサイヤから出てる『ジャンケンマン』というゲームボーイのソフトなんですけど、それが、おもしろいかどうか聞きたいんですけど。
男性 おもしろいかどうか?ちょっと待ってね。
――はい。
男性 (『ジャンケンマン』遊んだことあるやついるかぁ。とか、相談してる)もしもし。
――はい。
男性 『ジャンケンマン』が欲しいんですか?
――ええ、買おうかどうしようか迷ってまして……。
男性 どうせ、メサイヤのソフトを買うんなら、『ジャンケンマン』より『バトルトード』がいいですよ。
――え(ちょっと驚く)。あ、そうですか、ファミコンの?
男性 ええ、そうそう。
―― 全然、おもしろいですか?
男性 全然、おもしろいですよ。
――(思わず笑ってしまう)『ジャンケンマン』、だめですか?
男性 『ジャンケンマン』……(困っている様子)。どうして?キミは何年生?おとな?
――高校生(ほんとは26歳)なんですけどもね……。
男性 高校生なら、やっぱり『バトルトード』やるでしょう。
――あ、そうですか。わかりました。わかったのか、わかんないのか、よくわかんないんだけど。
男性 あんまり納得してもらっても困るんだけど。『バトルトード』、おすすめですよ。
――『バトルトード』ですか。
男性 うん、おすすめです。
――メサイヤ買うなら『バトルトード』?
男性 ええ(きっぱり)。
――わかりました。どうもすいませんでした。

ファミコン通信
TRRR……。ダイヤル2回。
女性 ファミコン通信です。
――あの、メサイヤっていうところからでる『ジャンケンマン』っていうゲームについて、なんですけど。
女性 はい。
――それがおもしろいか、おもしろくないかを聞きたいんですけど。
女性 ハァ(ため息)。ちょっとお待ちください(困っている)。
(15秒間待たされて……)
女性 もしもし、お電話変わりました(さっきより若い女性)。
――もしもし。
女性 はい。
――あの、メサイヤの『ジャンケンマン』についてなんですけど、おもしろいかどうか聞きたいんですよ。
女性 えー、どちらさまですか?
――読者なんですけど。
女性 あのー、そういうことには、ちょっとお答えできないんで……。あの、メーカーのかたですか?
――いえ、読者なんですけど。
女性 じゃあ、ちょっとお答えできませんので……。
――どうしてですか。
女性 あのー。……。もうクロスレビューでやりましたっけ?(誰かに聞いてる)あっ、ちょっと待ってください。(やっぱり誰かに聞いてる)Nさぁん、もうクロスレビューで『ジャンケンマン』やりましたっけ?(なんか相談してる。「やったよ」という声も聞こえる)あの、もうクロスレビューでやってますんでそちらを見て判断してください。
――え、ここでは答えられないんですか。
女性 ええ、申し訳ありませんが。
――そうですか。
女性 すいません、お願いします。

読者になりすまして、各編集部に電話するという試み、どうでした?各編集部の傾向や編集方針なんかがつかめて非常に参考になったでしょ。でも、本当に電話でこんな質問されても、なかなか答えられないので、読者のみんなは真似しないように(説得)。他誌の皆様にはご迷惑おかけしました。

[※『ジャンケンマン』は、クロレビで14点を叩き出したゲームボーイソフト]


■アーケードマニアック

第51回『LADY BUG』


■NEW'S CLUB

薬マニアの“オバカン族”が急増中!
最近、薬局で売っている薬にやたらとくわしい若者が増えているのに気がつかないか?この薬マニアは俗に“オバカン族”と呼ばれている。オバカンとはオーバー・ザ・カウンターの略で、薬局の店員にカウンター越しにえんえん話かけるところから名付けられた。オバカン族増加の背景には、『家庭医学大辞典』のような、わかりやすい家庭医学書の普及があるといわれている。
[※『オバカン族』のGoogle検索結果0件。このコーナーのミニコラムは適当というか苦し紛れなことが多い]

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