クソゲーのしくみ 飯野賢治、飯島健男 クソゲーを語る/96年6月28日号・後編





[※前回の続きです]


■クソゲーのしくみデラックス

いまタブーを破る特別企画

ゲーム業界有名人 クソゲーを斬る!!

飯野賢治

――クソゲーとはどんなものだと思いますか?
飯野 広告とか売り方がそのソフトが本来持っている性質と違う場合、これはクソゲーというでしょう。広告なども含めた意味でのパッケージと、中身に違いが生じている。そりゃあ、買ったほうはクソゲーと感じますよ。

――では、どうしてそんなクソゲーが生まれるんでしょう?
飯野 理由は3種類しかなくって、ハードメーカー、ソフトメーカーの社長や部長、あとは下請け会社。ハードメーカーの悪い点は、自分のところにないジャンルのゲームを補てんしようとするところですね。ハードの特性も考えずに作るから、大失敗をやらかす。ソフトメーカーは、上の者が自分の趣味とかどこからか聞いてきた流行を取り入れろって言うわけです、よく知りもしないで。これが開発現場のものとしては頭にくるんですよ。でも、上のいうことだから渋々従っちゃう。で、トンチンカンなものができると。下請けの場合はもっと切実で、すべての仕事を全力でこなしていたら、儲けが出ないんですよ。極端な話、3本に1本くらい手を抜いて作っちゃう。あと、1度作ったルーチンをほかのソフトで使い回すのも、下請けの問題点ですね。とくにシューティングなんか、どこかで見たようなゲームが異様に多いですから。でも、プレイステーションやサターンが出た当初に比べれば、全体にクソゲーは減ったんじゃないですか?

飯島健男

――飯島さんの考える、クソゲーの条件ってありますか?
飯島 まず、売れてないクソゲーは存在しませんね。みんながプレーしたうえで、あれはおもしろかったとかつまらなかったとか言えるんです。その意味では、クソゲーにもならない、それ以下の買ってもらえないソフトってのもあるんです。そのうえで、僕がクソゲーだと思うのは、ポリシーのないゲームですね。遊んでいて作者の意図がわからないゲームは、おもしろさが見えない。

――最近だとどんなゲームですか?
飯島 逆に、最近はコレというクソゲーが少ないと思うんですよ。昔と違っていまゲームをやってる人は、本当にゲームが好きな人ばかりですから。つまり、クソゲーが生まれるのは、それを支えるクソユーザーが多いからなんですね。いまのユーザーは洗練されているから、クゾゲーを出しても以前のように売れませんよ。ただ、ここ1、2年、クソゲーの代わりにマニアックなカルトゲームが増えましたね。でも、そのゲームがターゲットとしている人を満足させられるなら、それはクソゲーではないんです。また、そういうゲームの存在が許されるようになってきた。
僕はいい時代になってきたと思ってますよ。あと、クソゲーが減った理由のひとつは、柳の下のドジョウが釣れなくなったってことですね。昔は人気ゲームの二番煎じを作っていればそこそこ売れたんだけど、いまはオリジナリティーのないゲームはユーザーに相手にされない。その意味でも、ユーザーの目が肥えてよかったんじゃないでしょうか。作り手もそうそうヒドいクソゲーを出せませんから。

渡辺浩弐

――クソゲーの存在する意味ってのはあるんですかね?
渡辺 クソゲーってのは業界にとって必要悪なんですよ。もともとクソゲーってのは“ダメなゲーム”という意味だけじゃなかった。ファミコン全盛期に、一発アイデアだけでゲームを作って、それが平気で10万本20万本売れましたよね。そのなかにはもちろんガッカリするようなゲームが多かったわけですが、そのヘンなゲームを喜ぶ人もいたわけです。なぜそういうゲームが生まれたかというと、そのころはできあがりの見えないものを手探りで作っていたからなんですね。とんでもないヘンなゲームもたくさん生まれたけど、そこからすばらしいものが出てくる可能性がある。そういう土壌がないと新しいものなんて生まれないんですよ。ファミコン濫造の時代に、『ドラクエ』などの名作が生まれたのは、数々のクソゲーの屍を乗り越えてきたからだと思いますね。
ただ、クソゲーを作るのはいいことなんだけど、それをそのまま市場に出すということはまた別の問題なんです。たぶんいいメーカーってのは、内部で実験的にクソゲーをいっぱい作るんだけど、そのなかで光るものだけを実際に発売する。でも、小さいメーカーはそれをやってる余裕がないですからね。いまそんなメーカーは、実験せずに、ヒット作の二番煎じを作っている。「最近、味のあるクソゲーが少ないね」というのは、そういうところからきてるんです。それも寂しいけど、かといって「実験作を作ってみたらクソゲーでした」ってやりかたも許される時代じゃないと思うんですよ。

――クソゲー作っても売るな、ということでしょうか?
渡辺 いま、ちょうどクソゲーは第2黄金期を迎えていると思うんです。32ビットマシンが出て、3Dをリアルタイムで動かすことができるようになったということで、いろいろ実験をしなければならない時期なんだけど、制作費や期間が増えてきているから、なかなか乗り出せない。また、仮に小さいメーカーがそういう実験作を作ってみて、クソゲーだったらそれをクラッシュしろとは言えないじゃないですか。そこで僕が提唱したいのが、ゲーム界における雑誌的メディア、具体的に言うとCD-ROMマガジンとかネットワークの利用なんです。何作かの実験的なゲームを、1枚のCD-ROMに入れて安価に売るとか、ネット上で一部を無料プレーしてもらって、ユーザーの声を集める。そのなかで光るものがあれば、1本のゲームとして改良して出していくのがいいと思うんですね。

クソゲーコラム 吉田戦車




■町内会

報告書
・空手部5人で『耳をすませば』を見に行った。/広島県 ブランコマン
・俺はいまでも茶々丸のぬいぐるみを大切に持っている。/埼玉県 マムシ


■NEW'S CLUB

CD
宇都宮隆/easy attraction
中山美穂/Deep Lip French
べック/オディレイ
ソウル・フラワー・ユニオン/GHOST HITS 93~96

CM GIRLS
藤村ちか/ビフナイト

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