N64発売直前 宮本茂氏会見/96年6月21日号

[※この号で創刊からちょうど丸10年]
■エクスプレス
ネット名は“ぷらら”だ
セガやソニーなど5社が出資しているジーアールホームネットが、いよいよ10月1日にパソコン通信ネットを開局するぞ。ネット名は“ぷらら”。オンラインショッピングや通信カラオケ、ネットワーク対戦ゲーム、インターネット接続などが利用できるぞ。
■クロレビ
(浜村、水ピン、渡辺、羽田)
セガ、ソニー、そして任天堂(50音順)のニューマシンが、いよいよ勢揃いするっ!! 第2次ゲーム機戦争は、年末にどのマシンでも100万本ソフトが誕生しそうな、高レベルの戦いに突入しそうだ。ボクの読みでは三つ巴の様相を呈してきそうな気配だけど……。どう思う? (浜村)
疾風魔法大作戦
5 5 7 7
避けよりもゴリ押しで進む大味タイプ。早くゴールすることと敵を倒すこと。この相反することをバランスさせてプレー。シューティング本来の快楽を求めると順位が低くなり、順位を追求するとやられてしまう。そのジレンマを楽しむのだろうが、爽快感が低くイライラがつのる。(水ピン)
■広告
PC-FX アニメフェスティバル
★日時/6月22日(土)・23(日) AM10:00~PM5:00
★場所/東京・池袋サンシャインシティ文化会館2階Dホール
★入場無料 会場内でのコスプレOK!

■様子見くんアメリカへ行く
ニンテンドウ64は買いか、待ちか!?
E3の様子を見てみた!!
ライバル3社のアメリカ戦略を探ってみた
ソフトメーカーや小売店、問屋はどう考えているの?
宮本茂氏の動向を探ったぞ
E3開催前日に行われた日本の報道陣向けの会見で、宮本茂氏の意見を聞いてみたぞ。
――現在の『スーパーマリオ64』の完成度はどの程度ですか?
宮本 完成しています。『マリオ』が完成したおかげでアメリカに来ることができました(笑)。
――完成度に満足していますか?
宮本 あと1、2ヶ月でも、やれと言われれば、やることはいくらでもあります。『マリオ64』はニンテンドウ64のスペックの60%くらいしか使いこなしていませんから。もう、きりがないんですよ。あと半年作り続ければ、まだまだいろんなことができるのですが、容量のほうも苦しくなってきたのでそれはつぎの機会ということで仕上げることにしました。
――ステージは何面ですか?
宮本 全部で15世界あります。使い回しが少なくて、バラエティーに富んだ世界になっていますね。自分から楽しもうとする人には、かなり楽しいゲームでしょう。3日目くらいから、とくに良くなるゲームです(笑)。まあ、家庭用ハードの神髄のゲームじゃないかと思っているんですよ。
――今回マリオは、かけ声を出しますが、これには何か狙いがあったんでしょうか?
宮本 サウンドの人が入れたがったからです。うちは民主主義なんで(笑)。まあ確かに、従来のようなジャンプのときのビョ~ンというシンボリックな音ですますのは、辛くなってきたという部分もあります。絵の質が上がると、それに合わせてリアルにしていかないといけませんから。
――去年の11月に行われたファミコンスペースワールドで多くのユーザーがプレーしましたが、そのときの声は反映されましたか?
宮本 とくに、あのイベントでの意見を反映したというわけではありません。でも、やはり初めての3Dスティックを採用したゲームなので、小学生にも扱えるのかとか、いろいろ問題がありましたので、モニターはけっこうとりましたね。おじさんから子供まで、いつもよりたくさんテストプレーをしてもらいました。いろいろ聞きながら調整したので、ユーザーの声はかなり取り入れられていると思います。
――ディスクドライブで発売される『ゼルダの伝説64』は、どの程度完成しているのでしょう?
宮本 バラバラのブロックごとに作っているので、何がどこまで完成しているとはっきりは言えません。ただ、この『マリオ64』のシステムが完成した時点で、『ゼルダ64』のシステムも半分が終わったとも言えます。『マリオ64』のシステムに似た、ちょっと違ったシステムで『ゼルダ64』を作っているので、実際に動いている部分もかなりあります。マイクロコードという機能が“64”のプログラムの中にあるのですが、このプログラムを変化させるだけで“64”のグラフィック性能を変えることができるのです。そのマイクロコードの実験をしている段階ですね。スピード優先とかグラフィック重視とか、いろいろ試しながら『ゼルダ64』を作っています。CPUの処理が速いという利点もありますし、おもしろいものができあがってきています。それを使ったアイデアというのがいっぱい出ているんです。ファミコン版『ゼルダ』を発売したとき、部屋ごとに画面がスクロールして、ゼルダスクロールとか言われたように、“ゼルダ64システム”と言われるような特徴的なシステムを作りたいと考えています。
――宮本さんが“64”のソフトの監修をするという話がありましたが、E3に出展されているソフトのどのくらいを監修したのですか?
宮本 今後発売されるソフトはほとんど監修する予定です。当然、僕ひとりですべて見るわけにはいかないので、日本の任天堂全体で見ることになります。『パイロットウイングス64』は、かなり監修するつもりだったんですが、『マリオ64』に全面的に取り組んでしまったためあまり時間が取れなくなってしまいました。いま、任天堂のチームが何人も通い詰めて監修をしているので、発売されるときは、かなり完成度が上がっていると思いますよ。今後発売されるソフトも、半分くらいのタイトルは、日本で大がかりに監修する予定です。残りの半分も、最終チェックの段階で監修することになりますね。
――では、ほとんどのソフトを任天堂が監修するのですか?
宮本 まあ作る人の自由もありますが。全部任天堂が手を入れるという言い方はよくないんだけど、マリオクラブで、75点以上取れないようなソフトは出さないという覚悟で取り組んでいますので。
――“64”の現在のラインナップは3Dものが多いですよね。今後も3Dが主流になるのでしょうか?
宮本 べつに全部3Dになるとは思ってはいません。たしかのこのハードは3Dに向いていますが、2Dのソフトもいろいろ作っています。『ヨッシー』なんかも作っているのですが、けっこういい手応えを感じていますよ。3Dとか2Dとか言いますが、内部的にどうやっているかというだけで、ユーザーにとっては関係ないと思いますね。いちばん遊びやすい見せ方をすればいいだけですから。全部が3Dゲームになるとは思いません。3Dでポリゴンをつかっているとかということと、ゲームのおもしろさは関係ないとわかっていると思いますよ。ユーザーは。

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■真十年
やったぞ!! 週刊ファミ通10周年!! 10年を7ページで総決算だ!!
[※節目節目に必ずやる、「あの○○(編集者)もかつてはこんなヨゴレ仕事を……」みたいなコラムを交えながらその歩みをふりかえるというパターンの記事]
ファミ通の思い出
東府屋ファミ坊
10年もやっていると、いい記憶しか残らない。創刊号がまったく売れなかったことも、徹夜明けの朝、大雪での帰路途中、クルマが1回転したことも、忘れてしまった。心に残るいちばんの思い出は、週刊化を決心した6年前、合宿の席で「2倍以上忙しくなるけれど、ぜひ週刊誌にしたい!」と提案したときに、浜村(現ファミ通編集長)と水野(現サラブレ編集長)を先頭に約50人のスタッフが全員一致で賛成してくれたこと。あれはうれしかった。
■町内会
報告書
・バタ子はアンパンマンの顔を投げて、1回だけはずしたことがある。/北海道 ラスプーチン
・このまえゲームショップでソフトを予約しようとしたら、「キミに予約は似合わない」と断られた。/北海道 ライアン
・福田有宵先生はライガーがいないと思って図にのってる。/兵庫県 TAKEKUMA