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堀井雄二書き下ろし『ドラクエ2』秘話・前編② | '87年4月17日号・中編






[※前のエントリーの続きです]



限られたメモリをどう割り振るか?
で、3人とした場合の『復活の呪文』の長さを試算する。
『I』では経験値を6万5千(16ビット)で切ってしまったが、レベル設定がかなりキツかったので、今回は24ビットあてることにした。
ゴールドは前回どおり16ビット。さらに持っているアイテムも覚えておかなければならない。
例えばアイテムが63種類あるとすれば、1人8つまで持てるとして、これに必要な入れ物は6×8=48ビット。
そして4文字の名前に24ビット。
合計112ビットで、これが3人ぶんだから336ビット。復活の呪文に使用する文字は64種類(6ビット)だから単純計算すると、これだけで56文字になってしまう。
しかも、これプラス、装備しているかどうかのフラグや、各種ストーリーのフラグ、そしてチェックサムなどなど、とてつもなく長いものになってしまうだろう。
これは、あんまりである。
というわけで、例によって中村くんがあらゆる手を駆使し、最短19文字、最長でも52文字におさめることに成功した。
どーして56文字以上のものが19文字になってしまうのか?
これには理由がある。
『I』では1人ぶんを操作していたのに『II』ではいきなり3人、というのも、コマンドがかわっていることもあり、あまりにとまどうのじゃないかと、まず1人の操作に慣れてもらい、次に2人、さらに3人と、段階を踏む方法を考えていたわけ。
それが、仲間を見つけるというストーリーになってしまったわけだが、1人のときは1人ぶんの復活の呪文でいいじゃないか。
で、人数が増えると呪文も長くなってゆく、というように、こっちも段階を踏むものにしたわけ。
と、いろいろあったが、3人パーティーということに落ち着き、次に戦闘や移動モードのシステムの打ち合わせ。
さらに、イベントなどの特殊効果(各種アイデア)が実現可能かの検討、などを煮つめてゆく。
それが終わると、いよいよメモリマップの試算である。
「今まで話したことを実現するにはプログラム××Kは欲しい」と中村くんがいえば、キャラをデジタライズにする安野くんが「モンスター用に××Kは必要だと思う」と主張。
ボクはボクで、「マップやセリフデータとして××Kはもらわないとね」。
限られたメモリをどう割り振っていくか?
それはあたかも、国会の予算委員会の様相を呈してくるものだった。

シナリオメイキングがついにスタートしたぞ
システム、メモリマップが決定されると、いよいよ作業はシナリオとプログラムの分業態勢へと入ってゆく。ここに至ったのが企画をスタートさせてからおよそ2ヶ月後、去年の7月初旬頃だったろうか。
その時点を境にして、それまでの会議につぐ会議が一転し、シナリオに関するデータを作成してはプログラム担当の中村くんに渡すという作業が開始される。
ちょっと話がそれるが、最近、人に「ゲームのシナリオって、いったいどういうふうに書くんですか? あらすじだけを書くんですか? それとも、プログラミングのソースリストまで書くんですか?」
などという質問をよく受ける。
これが映画のシナリオだと、どういうふうに書かれているか想像できるけど、ゲームのシナリオとなると具体的にどういうふうに書かれているのか想像できないので、ぜひ知りたいというのだ。
単に好奇心で聞いてくる人もいるし、なかには「もし自分にもできるようなら、やってみたい」という気持ちで聞いてくる人もいる。
今、この原稿を読んでいるキミたちのなかにも、「将来、ゲームのシナリオライターになりたい」と思っている人がいるかもしれないので、そんな人たちのために、シナリオ部分の作業工程を具体的に書いてゆこうと思う。
もし、これを読み、「ああ、ゲームのシナリオって、そういうふうに書くのか。それならボクにもできそうだな」
と、思えてもらえたら幸いである。
まずシナリオを何に書いているかというと、ボクの場合、A4の5ミリ方眼紙を使っている。人々のセリフなど普通の原稿用紙でもかまわないのだけど、マップやデータをかくこともあるので5ミリ方眼紙が使いいいのだ。
セリフは原稿用紙に、マップは方眼紙に、という方法もあるが、それだと紙のサイズや質が違って、整理のとき美しくないので、セリフなども同じ方眼紙に書くようになったわけ。





[※次のエントリーに続きます]

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